中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ガラケーユーザーが語る「それでもスマホにしない理由」

 友人と会う時は、その人がSNSで公開したネタは全部知っていて「あのカツ丼、おいしいですよね」なんて話になる。結局、人と一緒にいる時の話題が「すでにネット情報で把握するものの確認」といったものになってしまいがちなんですよ。同じような情報をスマホユーザーが知っているのならば、こちらは雑誌や本を読んだり、さらにはそこらへんのオッサンと酒でも飲んだ方がよっぽど多種多様な情報は入ってくる。どうせ、「自分の業界関連情報」「自分の友人関連情報」は他の人全員の頭の中に入っているのです。その時点で、もはや情報の差別化はできない。自分は自分だけが知っていることを秘かに自らの中に溜めておけばいいのです。

 そもそも、Aさんの住んでいるタワーマンションのフロアが32階だったり、Bさんの長男が慶應幼稚舎に行っていて名前が「ヒロシ」であること、Cさんの妻がネイリストであることなどを知って何になるのでしょうか。スマホがあることにより、どーでも良すぎる情報を人々は知るようになってしまったのです。

 ガラケーではSNSはやりづらいったらありゃしない! スピードは遅いし、画像は小さいし、今ではそもそもガラケー対応のサイトなんかないものだからネットを見ることができない。私はソフトバンクのガラケーを使っているのですが、かつては「Y!」ボタンを押せばヤフーのトップに行き、ニュースを見ることができたのですが、今は何段階か経なくてはいけない。店の検索をしてもまぁ、辿りつけることがとんでもなく困難です。

 でも、この状態って「見る必要のないものを見ることができない」という実に理想的情報環境にあるのです。

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