多くの人が長寿を願うが、「老後破産」が懸念される現代においては、「長生きリスク」もある。そんな世相を反映して、「長生きするほど得になる」と謳う保険商品が続々登場している。
昨年4月に日本生命が長寿生存保険「グランエイジ」を発売したのを皮切りに、今年3月には第一生命が「ながいき物語」で追随。10月に入ってからも、太陽生命が「100歳時代年金」、かんぽ生命が「長寿のしあわせ」と、相次いで販売を開始した。
いずれも契約件数は好調で、最古参の「グランエイジ」は合計で約4万8000件に達する(今年9月末時点)。
“発明者”はイタリア人
4社の商品は、契約時に決めた支給開始年齢を超えると、それ以降は年金として保険金を毎年受け取ることができるという仕組みで、長生きすればするほど多くの保険金が得られる。
だが、年金額が払込総額を上回る「損益分岐年齢」まで長生きしなければ保険料の払い損になってしまう。支給開始年齢に満たずに死亡した場合も、受け取れる払戻金は保険料より少ない。
長生きすれば得、早死にすれば損──ごく簡単にいえば、“早死にした人の保険料が、長生きの人に支払われる”システムなのだ。4つの保険はどれも加入年齢50歳以上となっている。