ホーム地下化は吉だったのか、凶だったのか
井の頭線も小田急線も沿線には大学が多く、若者が下北沢に集うのは頷けますが、ここ数年、同駅の乗降客数が大幅に減少しています。2014年度の小田急線の乗降客数は、前年比-5.2%と、一挙に減少。その原因は、2013年3月に行われたホーム地下化にあると見るべきでしょう。これにより小田急線は地下深く潜り、乗り降りや乗り換えの利便性は低下しました。
ホーム地下化が避けられなかったことは事実です。かつての地上ホームは非常に狭く、ホームには常に人が溢れていて危険な状態で、電車の警告音は鳴りっぱなし。開かずの踏切問題も深刻でした。ラッシュ時に電車がさばききれないため、複々線化は沿線住民の悲願。いつかはやらなければならなかったことなのは間違いありません。
しかし結果的に人々が、下北沢をスルーするようになったのかもしれません。下北沢で降りていた人は、ホームから見える下北沢の風景や街を歩く若者を見て、「ちょっと降りて行こうかな」「メシでも食べようかな」と思うこともあったのです。
渋谷と新宿へのアクセスの良さから、これ以上「住みたい街」としての人気が落ちることはないと思いますが、下北沢には再開発計画もあり、最終的には都道が通り、駅前広場が完成する予定です。再開発計画が進んで没個性化が進んだシモキタに、これまでと同じ魅力を感じることはないかもしれません。シモキタがフツーの街になってしまうのはさびしい限りです。
「ワンルーム・1K・1DK」の家賃相場は8.50万円(ライフルホームズ調べ)と、なかなかの額です。街の雰囲気が今後大きく変わる可能性が高いので、“シモキタ的な雰囲気”が好きな人は、住むなら今のうちではないでしょうか。