「その仕事は、『ベルトコンベアーで流れてきたトレーに乗った製品を箱に詰め、フタをする』という単純極まりないものでした。仕事自体は超ラクなのですが、おしゃべりはもちろん禁止で、工場内の音はベルトコンベアーが動く『ギー、ガッチャン』という音だけ。30分ぐらい経ったかなと思って時計を見ると、5分しか進んでいなくて、その時点で心が折れそうでした。
そしてお昼休み休憩になり、工場内の食堂で定食を受け取ったのですが、机に座った瞬間に身体が傾いて倒れそうになり、まったく普通にご飯が食べられません。というのも、午前中ずっと流れるトレーを見ていたので、食事を載せたトレーが右から左に動いているように見えて仕方がなく、結局食べたものをもどしてしまいました。午後もちゃんと働きましたが、1日で『向いていないので辞めます』と言って、辞めてしまいました」
1日で辞めるのはそれなりに勇気が入りそうだが、男性が言うには「別に1日で辞めても何にも言われませんよ。バイトですから」とのこと。単純作業とは言っても、いろいろな苦労があるようだ。