バイト情報誌を眺めていると、「簡単な作業です」「単純な作業です」といったキャッチコピーが添えられたバイト募集があるが、実際にやってみるとどうなのか? これまで数え切れないほど、様々なバイトをしてきた40代男性・Aさんが、自身が経験した単純作業のバイトについて語る。
「体力的に1番辛かったのはポスティングのバイトです。ポスティングというと、ポストにビラを1枚ずつ入れていくものが多いですが、私がやったのは小学生向けの教材サンプルを配るもの。1冊200~300gのサンプルを300冊配るという仕事内容でした。
まず、指定された駅でサンプルと配る家のリストを渡されました。背負子のようなものに半分ほど背負い、残り半分はカートで引っ張って配りましたが、配るのには12時間かかります。当時の私は、175cm・78kgという体型だったのですが、週3ペースでやっていたら、仕事後にメチャクチャ食べていたにもかかわらず、3か月で10kg痩せました」(以下同)
通常のポスティングの報酬は1枚4円程度だが、こちらは1冊50円だったそう。一方、精神的に辛かったのは交通誘導員のバイトだったという。
「私がやったのは、道路工事現場などでよく見るオレンジ色の棒を持ったあの仕事です。最初は、公園で練習するところから始まります。我々は『ニンジン棒』と呼んでいましたが、あれを振る練習をちょっとやって、すぐに現場に出ました。
暑さや寒さ、立ち続けていることの辛さは想定内でした。問題は誘導するドライバーです。『まだかよ!』『モタモタしてんじゃねーよ!』と暴言を浴びせられるのは日常茶飯事。タバコや空き缶を投げつけられたこともありました。あと、やたら身体のギリギリの所で車を止める人が結構いて、『この車、本当に停まるのかよ?』と、しょっちゅうドキドキしていました。時給の良さに惹かれてやったのですが、メンタル的にもかなりキツかったです」
こちらの仕事は深夜だと時給1800円ほどもらえたとのこと。一方、仕事自体が超ラクだったのに「1日で辞めた」というのが、ベルトコンベアーを使った流れ作業のバイトだったという。