2014年4月の消費税増税ショックはまだ記憶に新しい。税率が5%から8%に引き上げられた途端、消費がドンと落ち込み、日本の景気は急激に冷え込んだ。2019年10月、消費税率が10%に引き上げられる。増税で生活が脅かされるのは、税率アップと便乗値上げのダブルパンチになるからだ。
この負担増を切り抜けるには、「消費税10%」に対抗する資産防衛術を考えるしかない。
まず生活防衛には、購入のタイミングを見極めることが重要になる。増税対象の酒類や日用品などの消耗品は増税前に「買いだめ」するのが原則だ。なかでもバリアフリーなど金額が張る住宅のリフォームを考えているなら急いだほうがいい。ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子氏が語る。
「住宅の新築はもちろん、増改築やリフォームは、引き渡し時点での税率が適用されます。高額なだけに2%の違いは大きい。増税の実施前には駆け込みで注文が増え、納期が間に合わなくなる可能性がある。増税前に工事を始めたのに、完成が増税後になって10%の税金を取られたということになりかねません」
逆に、慌てて購入すると損するケースもある。
「2014年4月の増税前には、駆け込み需要で自動車、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電などが売れましたが、売れすぎて値引きがあまりなかった。むしろ、増税後に売れなくなった家電などの在庫が値崩れし、増税前よりはるかに安い価格の大バーゲンが行なわれた」(同前)