日経平均株価は9月19日に2万円台を回復、10月13日には2万1000円を突破し21年ぶりの高値圏で推移。敵失で自民党が大勝した開票日翌日には、日経平均が史上初の15連騰を記録し、かつてのバブル期も高度成長期も凌駕する戦後最長記録を更新し、翌24日には16連騰を達成した。
では、これから日本経済に何が起こり、株価は本当に上がり続けるのか。相場環境から見ていくと、「株価ファースト」政策が下支えしそうだ。
日銀の異次元金融緩和で溢れた資金が株式市場に向かい、日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株を買い支える「官製相場」が定着する中、今年3月には金融庁が「顧客本位の業務運営に関する原則」を掲げ、金融機関に投資環境の整備を促している。外資系証券会社の調査部長などを歴任した玉川大学経営学部の島義夫・教授が指摘する。
「NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった投資優遇制度を拡充して、投資をしやすくすることが今後の株高の原動力になる」
そうした「国策」が企業業績を強力に後押しする。日産や神戸製鋼の不祥事に目を奪われがちだが、財務省の法人企業統計によると、今年4~6月期の全産業の経常利益は前年同期比22.6%増の22兆3900億円と、四半期ベースで過去最高。目下、発表が進む中間決算でも今期(2018年3月期)、通期の業績予想を上方修正する動きが相次ぐ見通しだ。通期の決算発表が本格化する来年4月下旬以降に向けて、期待感の高まりから一段高も見込めるだろう。