9月8日に米ドル円相場は1ドル=107.31円まで下落し、その後10月6日には1ドル=113.45円まで6.14円幅上昇しましたが、フィボナッチの法則に従えば、こちらの上昇値幅に対して3分の1押した、111.40円という価格水準で反転する可能性が考えられます。そして実際の相場は、1ドル=111.64円まで下落した後、そのまま114円台の方向へ上昇しました。
111.40円と111.64円とを比べると24pipsの差がありますが、概ね近い価格だと思います。もちろん、フィボナッチについて完全に説明しきれたわけではありませんが、この実例から「テクニカル分析によって相場は読める」ということを実感してもらえればと思います。
米ドル円相場、年末にかけてのアノマリー
ただ私は、テクニカル分析以外にも、アノマリー的な相場傾向も考慮しながらトレードしております。そして今まさに米ドル円相場に関して意識しているアノマリーは、「米ドル円相場は年末にかけて上昇する傾向にある」というものです。
2016年のトランプ相場を思い出してみてください。11月のトランプショックで、米ドル円相場は一瞬ドーンと下落したものの、そこから12月にかけて1ドル=118円の方向へどんどん上昇したことは多くの方が覚えていることと思います。
また昨年だけでなく、2015年も同様に、10月から12月上旬あたりまで上昇傾向が続きましたし、2014年、2013年も……というように、ここ数年、毎年極めて高い確率で年末にかけて米ドル円相場は上昇しています。実はこの傾向、ほとんど100%に近いくらいの確率で発生しているのです。実際に過去のチャートを振り返っていただければ、そのことがお分かりいただけると思います。
そうした例年の傾向から、やはり今年も米ドル円相場は上昇する可能性が高い、と私は考えています。