今回の改正で、夫の収入が少ない非正規社員世帯や年金世帯などは恩恵を受けますが、高収入世帯の負担はますます大きくなりそうです。2016年、2017年の給与所得控除の改正に加えて、2018年の配偶者控除の改正で税負担が大きくなるからです。仮に年収1000万円の世帯でも、子供がいる場合、特に教育費がかかる年頃になると家計の負担は大きくなります。社会保険の扶養の条件である、いわゆる「106万円の壁」や、夫の会社で家族手当(扶養手当)がつくかどうかの「壁」もありますので、妻も100万円程度の収入をつくる、あるいはそういった壁を越えて高収入が得られる仕事をするなどの工夫がますます必要になりそうです。
◆はなわ・ようこ/ファイナンシャル・プランナー、CFP認定者、1級FP技能士。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。退職後、FPとして独立。『夫婦で貯める1億円!』『貯金ゼロからでも大丈夫!夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』など著書多数。http://yokohanawa.com/index.html