調査の結果、ワースト1位は北綾瀬駅(隣接する六町駅と青井駅も含む)となった。
「北綾瀬駅周辺は、保育園数は多いものの、URや東京都住宅供給公社が提供する大規模共同住宅からの需要も多く、推計待機児童数は23区内でワーストとなりました。隣接する六町駅と青井駅はつくばエクスプレス沿線で、近年、大型のマンションや住宅街が急激に形成され、保育園需要が高まっているのも一因と考えられます」(沖氏)
ワースト2位の勝どき駅、3位と4位の江東区内の大島駅と豊洲駅も同様の理由だ。
「勝どき駅や豊洲駅は高層マンションが多く建設され急激に人口が増えています。大島駅は駅前に公営住宅やURなどの大きな団地があります。保育園の定員に対し、同じ年代のファミリー層が多く、待機児童数が多くなったと考えられます。
オフィス街へのアクセスがいい駅でマンションが多く建設されているエリアや大規模な共同住宅があるエリアでは、子育て中のファミリー層が流入してくるため、保育園に入りにくくなってしまうのです」(同)
ファミリー層に人気が集まる立地だからこそ、待機児童数も多くなり、幼稚園・保育園に入りにくくなるというジレンマがあるようだ。
【プロフィール】沖有人(おき・ゆうじん):スタイルアクト株式会社代表取締役。国土交通省「住宅エネルギー性能表示検討委員会」の委員なども務める。新刊『マンションは学区で選びなさい』のほか、『マンションは10年で買い替えなさい』など著書多数。分譲マンションの無料会員制情報サイト「住まいサーフィン」を運営。