日本株が好調に推移しているが、今年に入ってからその上昇を牽引しているのは大型株が中心だ。それでは中小型株には投資妙味は少ないのだろうか。カブ知恵代表・藤井英敏氏が、今後の中小型株の見通しと注目銘柄を選ぶ際の参考となる3つのキーワードについて解説する。
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黒田バズーカ第2弾が放たれた昨年10月末以降、トヨタ自動車をはじめ大型株中心の上げ相場が続いてきた。大型株やETF(上場投資信託)などのインデックス投資が中心の“草食系投資家”が利益を膨らます一方で、中小型株投資が中心の“アクティブ系投資家”は蚊帳の外に置かれてきた。日経平均の強い値動きに対し、昨年1月以降、東証マザーズ株価指数の1000ポイント割れが続いていることからもアクティブ系投資家に過熱感はほとんど見られなかった。
しかし、そんな情勢もようやく変わりつつある。4月に入ってマザーズ指数が900ポイントを回復するなど、ここにきて徐々に切り上げるような値動きは、出遅れていた中小型株に見直しの機運が高まっている証左といえるだろう。いうまでもなく、大型株に比べて時価総額の小さい中小型株はいったん動意づけば、値動きは激しいものとなる。いよいよ短期で大きなリターンが狙えそうな相場が訪れようとしているのだ。
それでは、より大きな利益を手にするためには、どのような個別銘柄に目を向ければよいのか。基本的なキーワードは3つある。
まず「国策に売りなし」という相場格言があるように、「国策」に合致しているか。次に「成長」している分野かどうか。そして株価は業績の「変化」によって大きく動く傾向があり、大きな変化が期待できるかどうかも買い材料となってくるだろう。これら3つのキーワードに適うような中小型株のなかから、ひとたび人気化すれば一気に株価倍増も見込めるような「大化け株」が出てくる可能性もある。
※マネーポスト2015年夏号