為替相場を動かす要因は様々あるが、各国政府の思惑が影響する面も少なくない。たとえば米ドル円相場の場合、日本とアメリカの関係性やそれぞれの国益への思惑が、少なからずレートを左右している。
そうした意味で、注目したいのが11月5日から来日するトランプ大統領の動向だ。FX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、今後の米ドル円相場のポイントについて解説する。
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米ドル円相場は10月下旬から11月初めにかけて、1ドル=113~114円の間を上がったり下がったりの、レンジ相場が続いていました。聞くところによると、生命保険のような大口機関投資家が、米ドル円相場が少し安くなったら買って1ドル=114円台に達したら売り、そこでまた新規売りを入れて50pips程度下落したら売り玉を決済する、というように細かくトレードをしていたようです。そのような大口の動きもあってか、ここ最近のドル円相場は一定幅をウロウロしていたと考えられます。
では、今後米ドル円はどのような動きになると想定されるでしょうか。
まず1つ参考になるデータは「売買比率」です。やはり相場の見通しを立てる上で売買比率を確認することはとても重要だと私は考えています。
くりっく365において10月最終週に発表された米ドル円の売買比率を確認すると、売り玉が約13万枚も多い状態でした。この状態からどういったことが考えられるでしょうか?