売り玉が多いということは、「いずれ買い戻し決済が入ってくる」ということでもあるので、「ここからガラガラ大幅に下落することは考えづらい」と予測できます。
そして、もう1つ私が意識しているのは「米ドル円に関するアノマリー」です。米ドル円は例年、年末に上昇する傾向にあります。
過去のチャートをご自身で確認していただければお分かりになると思いますが、ほとんどと言っても良いくらい極めて高い確率で年末にかけて上昇しています。ですから、やはり今年も米ドル円相場は年末にかけて上昇する可能性が高いのではないでしょうか。
では、上昇するとしたらどのタイミングから上昇し始めるのでしょうか。
トランプ大統領帰国がターニングポイントか
私としては、トランプ大統領が11月5日に来日し、大統領が日本での日程を終えた後から、米ドル円相場は上昇する可能性が高い、と考えています。
なぜそう思うのか? 一言でいうと「日本はアメリカからずっと為替に関してクレームを言われ続けているから」ということです。説明しましょう。
10月17日、アメリカの財務省は半期に一度の「為替報告書」を公表しました。その中で「為替操作国の基準に達した国は無かった」との見解が示されましたが、「監視リスト」には日本、中国、ドイツ、韓国、スイスなどが入っています。つまり、日本は為替操作に関してアメリカからマークされているわけです。言い換えれば、アメリカは日本が為替を操作して円安方向へと誘導することを懸念している、ということです。