「私が必ず左側に座るのは、眺望が広く、海が見えるからです。右側は富士山という最大の目玉がありますが、基本的に右側は山なので、見晴らしはあまりよくありません。その点、左側は平野なので見晴らしが良く、遠くまで見渡すことができます。ちなみ1か所だけ、静岡駅を過ぎたあたりで、左側からでも富士山が見える場所があります。
東京から大阪間だと、海が見えるのは小田原~熱海間や、浜名湖付近など、数か所あります。また、東海道新幹線は『川』も見どころだと思います。富士川、大井川、天竜川、長良川、木曽川、揖斐川など、いくつもの一級河川を通過しますが、鉄橋を通過する際、左側の方が眺望が利きます。
また、右側に座らないのは“すれ違い”がうるさいこともあります。東京から大阪まで乗ると、数十回は対向列車とすれ違いますが、すれ違う時の衝撃音が結構大きいので、それも左に座る大きな理由です」
ちなみに、全く別の観点から右側を推す意見もある。それは城だ。東海道新幹線からはいくつも城が見えるが、左側から見えるのは小田原城だけなのに対し、右側からは掛川城、清州城、彦根城などが見える(新大阪を越えてからも、姫路城や福山城などが見える)。何度も乗るチャンスがある人ならともかく、海外からやってきた外国人観光客などに勧めるのであれば、「富士山+城」の右側という選択肢もあるかもしれない。