アイドルファンの間では同じCDを大量に購入することはもはや珍しくないようだが、気になるのはそのCDの行方だ。処分に困って不法投棄する人が現れるくらいなのだから、やり場に困るケースも多いはず。アイドル業界に詳しいフリーライターのA氏はこう話す。
「ひと昔前なら、要らないCDは中古CDショップに売るというのが定番でしたが、特典商法で売られているアイドルのCDについては買い取ってもらえないことも多いんです。たとえば『ブックオフ』であれば、同じCDは2枚までしか買い取ってもらえません。また、そもそもAKB48のCDなどは中古市場に出回る量があまりにも多く、値段もつかないような状態で、枚数に限らず買い取りそのものを拒否する中古店も少なくありません」
「布教」と称してCDを配布
中古店に売れないのであれば、どうするのだろうか。前出・アイドルファンKさんはこう話す。
「“布教”と称して、友人や会社の同僚などにただで配るという方法があります。それで、アイドルに少しでも興味を持ってもらえたらという気持ちです。特にお子さんがいる人には積極的に譲っていました。ただ、CDを配って喜ばれるのも最初の頃だけ。そこまでアイドルに興味がないという人は、1枚、2枚もらったらもう十分という感じで、その後は受け取ってもらえなくなることがほとんど。必要ないというものを無理やり渡すわけにもいかないので、最近は、欲しいという人以外にはあまり渡さないようにしています」
友人や同僚にはあまり配らなくなった一方で、ほかのアイドルファンに配ることは多いという。
「複数のアイドルグループが出演するイベントの会場に余ったCDを持っていき、“ご自由にどうぞ”という感じで、配ることはよくありますね。熱心なファンの中には、会場の前で、ティッシュ配りのように3000円くらいするフルアルバムのCDを配っている人もいます。ただで貰えるなら欲しいというアイドルファンは多いので、それなりに効率よく捌くことができます」(Kさん)