世界各国、地形や気候が変われば、住んでいる人もまたそれぞれ。世界各地で為替は取引されており、相場もまた市場ごとに特色があります。
なかでも東京、ロンドン、ニューヨークは、世界の三大外国為替市場と呼ばれており、その時間帯に参加するプレイヤーを知っておくことは大変重要です。ディーラーの目から見た特徴と共に、それぞれのマーケットを数回に渡りご説明します。
東京市場の参加者と特徴
東京市場はひと言でいえば「和の心」。 基本的にマザーカレンシー(母国通貨)であるドル/円が中心の相場です。
輸出入の実需取引が多く、「上にいけば輸出企業からのドル売り」「下にいけば輸入企業からのドル買い」が出るため、ニューヨーク市場で上昇のまま東京市場になると売りが出やすく、ニューヨーク市場で下げて東京市場になると買いが出やすい特徴があります。
そうなると値幅が小さくなる傾向にあるため、「世界の昼休み」とあまりうれしくない言われ方をしています。東京はロンドン市場、ニューヨーク市場に比べて、残念ながら闘争心に欠けていることが、この穏やかなマーケットを作っているのだと思います。
他の東京市場のマーケット参加者は売りでも買いでも出てくる「生保などの機関投資家」や「個人投資家層」の動きも無視できません。
東京市場の不可思議な値動き
東京市場で流れができたからといって、そのままロンドン市場に引き継がれることはめったにありません。「まやかしのマーケット」とも思える一面をもっており、それは東京市場が「円絡みの市場」であることが、大きな原因となっています。
ドル/円はじめクロス円には市場の関心が当然ながら高いのですが、円の絡まない通貨ペアへの関心がほとんどないため、不可思議なプライスを作ることがあります。たとえばユーロ/円に活発な取引があることでユーロ/ドルが動いてしまう一方、ポンド/ドルは動いていないから、結果としてユーロ/ポンドのプライスがおかしな動きになる、など円の絡まない通貨ペアでプライスが歪んでしまうことがあります。
次回は世界一の取引高を誇るロンドン市場をご紹介します。
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