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政府が目論む増税策 サラリーマンの次は年金生活者が標的

 サラリーマンの給与所得控除を「恵まれている」と縮小して大増税し、次は年金生活者は「サラリーマンよりもっと恵まれている」とこちらにも増税する。イソップの狐のようなずるがしこさだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。

「給与所得や年金の控除は収入の低い人の税負担を軽くする所得の再分配のための仕組みです。しかし、財務省はこれまでも控除をどんどん減らしてきた。控除を全部なくして低所得者まで含む国民に広く浅く課税し、非課税世帯をなくしたいというのが悲願なのではないでしょうか。それを判で押したように“高所得者が優遇されている制度を改正する”という理屈で国民を騙しながらやろうとしている」

 そもそも政府は高齢者に65歳を過ぎても“元気で働け”と勧め、年金と給料の合計額が一定額を超えると年金をカットしている。働く高齢者の年金返上分は事実上の増税なのだ。

 そのうえ、年金控除が廃止された場合、月額15万円の年金を受給している高齢者(65歳以上)は所得税・住民税が年間18万円もアップする。年金の1か月分以上が税金で持って行かれ、他に収入がない年金生活者はその間飲まず食わずで食いつなげと迫るようなものだ。

 こんな亡国の税制が罷り通っていいのか。

※週刊ポスト2017年11月17日号

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