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業界初の株式上場、中国ドール企業が開発進める美女ロイドとは?

EXDOLL社の研究室内。全身可動型のアンドロイドの骨格イメージ・ロボ(左)

 中国では往年の一人っ子政策のもとで「産み分け」をした親が多いこともあり、国民の男女比が極端に不均衡だ。加えて貧富の巨大な格差もあって、結婚できない男性は3000万人以上にのぼる。他方、産児制限の目的からアダルトグッズは「性健康用品」として容認されてきたが、空気人形のような質の悪いダッチワイフが多かった。

 日本水準の造形美を武器に、競争相手なき市場に参入したことで、EX社のラブドールは飛ぶように売れた。現在の同社の従業員数は130人で、約3000km平米の工場を自社で保有。1か月あたり400~800体を出荷する。各商品の価格は2980~2万3800元(約5万1000~41万円)ほど。昨年の年商は、この業界では破格の約1911万元(約3億3000万円)に達した。

「顧客は投資会社の経営者から、母親同伴でドールを買いに来た20歳の男の子まで多種多様。定期的に何体も買っていくリピーターもいて、富裕層が多いですね。いわゆる『モテない男性』とは異なる方も少なくありません」

 こう話すのは、同社幹部の梁静氏(仮名、女性)。顧客の1~2割は若い女性で、コスプレ趣味を持つ人が等身大の着せ替え人形として買うらしい。

 EX社の幹部は楊氏の地元の友人が多く、ほぼ全員が30代以下だ。オタク文化やサイバー文化に目端が利く若者なので、会社の名刺や公式ホームページもIT企業のように垢抜けている。

「仕事に両親の反対は一切なかった。後ろめたいものを作る会社ではなく、かわいい人形作りとハイテク技術が売りの会社だと思っています」(梁氏)

 製品はすでに日本側業者を通じて日本でも販売されている。価格競争力を武器に、オリエント工業をはじめ老舗の国産メーカーすら脅かしつつある。

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