ライバル店の価格を見せて交渉するのが常套手段
とはいえ、上手に交渉をすれば、しっかり値引きをしてもらえることもある。会社員の女性Mさん(40代、都内在住)の体験談だ。
「家電量販店で買い物をするときに、『近くにある○○○ではこの価格だった』と提示することで、『現金払いでなら』という条件でその価格まで値引きしてくれたことがあります。交渉の対象になるのは、ネット店舗ではなく、あくまでもリアルな店舗での価格とのことでした」
他店の価格を見せ、その価格まで安くしてもらうというのは、確かに常套手段だ。
「同じ店で、『ポイントは要らないから、その分値段を安くして』と交渉したり、通常クレジットカードなら現金払いよりポイント還元率が下がるところ、カード払いだけど現金払いでのポイントをつけてと交渉したりして、対応してくれたこともあります。あと、現品限りの商品も値引き交渉に応じてくれました」(Mさん)
成功する人もいれば、失敗する人もいる家電量販店での値引き交渉。一体何が影響しているのだろうか。家電販売事情に詳しいフリーライターはこう話す。
「どの店員に交渉をするかは重要だと思います。店頭にはメーカーから派遣されている店員と、店舗側の社員とがいて、値段交渉を受け付けてくれるのは後者の方。メーカー側の店員に交渉しても特に決定権があるわけではないので、ごまかされてしまうこともあるようです。
また、買おうとしている商品が値引きしやすい商品かどうかも影響します。たとえばアップルやダイソンの製品など、ブランド力が高いものは基本的に値引きもサービスもしないことが多い。入荷して間もない最新の家電なども、値引きが難しい傾向にあります。また、必ずしも売れ筋ではない高額な商品、たとえば、5万円以上クラスのヘッドホン、高級オーディオのような、マニアックな商品の値引きは難しいかもしれません」
ただ闇雲に値下げ交渉をしただけでは、なかなか成果はあげられなさそう。ある程度の情報やテクニックが必要といえそうだ。