ちなみに、「サトシ」という単位は、ビットコインを考案したとされるサトシ・ナカモト氏にちなんだもの。ビットコインは、同氏が2008年にネット上に発表した論文をもとに生まれた。だが、名前からは日本人とも思える同氏が何者なのかは特定されていない。偽名と考える人も多く、日本人ではないとの見方が大勢を占めている。
ビットコインと法定通貨には、紙幣や硬貨がないこと以外にも違いがある。例えば、日本円は「日本銀行」、米ドルは「連邦準備制度理事会(FRB)」といった中央銀行、つまりは国が通貨発行の役割を担っている。ところが、ビットコインに発行主体は存在しない。発行・管理に、どこかの国が関与しているわけではないのである。そのため、法定通貨は基本的にその国・地域だけで使われるのに対して、世界中どこでも使える。国境に縛られない“世界共通通貨”といえるのだ。
また、法定通貨、例えば日本円は発行上限が決められていない。中央銀行である日本銀行が紙幣を刷れば、世の中に流通する日本円の総量をいくらでも増やすことが可能だ。だが、ビットコインは発行上限が2100万BTCと決められていることも法定通貨との大きな違いだ。