全仮想通貨の時価総額のうち約7割を占める圧倒的な存在となっている「ビットコイン」。従来からある日本円や米ドルなどの法定通貨と異なり、「紙幣」や「硬貨」といった実態がないにもかかわらず、どのように信頼性や安全性を保っているのか。フィスコデジタルアセットグループ代表取締役でビットコインアナリストの田代昌之氏は、その仕組みを次のように解説する。
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ビットコインは、「ブロックチェーン」という仕組みによって、通貨としての信用性・安全性が担保されている。ブロックチェーンとは、簡単にいうと、ビットコインの発行や取引の詳細データを約10分ごとに1つのブロックにまとめて、改竄できないかたちでチェーンのようにつなげていく仕組みだ。
そのデータは世界中のコンピュータネットワーク上に分散して保存され、世界中の不特定多数の人が精査や監査ができるようになっている。仮に誰かが不正をしても、すぐに不正がわかるため、偽造や二重払いは事実上、不可能なのだ。
法定通貨は銀行などが設置する中央サーバー(中央集権型システムと呼ばれる)がデータを管理している。一方、ビットコインのブロックチェーンはそれとは対照的にデータを分散して管理するため、「分散型台帳」と呼ばれている。ブロックチェーンは情報の改竄ができず、安全性が極めて高い仕組みのため、今後は仮想通貨以外にも公的情報の管理や医療用カルテなど、様々な分野で使用されると予想されている。