一見、家賃は高いように見えるが? ゾーン別攻略法も
これだけ便利な場所にありながら、29位というランクは、個人的には低く感じます。確かに近年は外国人観光客の急増もあり、駅周辺の混雑ぶりはなかなかのもの。外国人、修学旅行生、遠足の学生、日本人の観光客でごった返しており、「住む場所としてどうか」という疑問を持つのは分かります。
しかし上野公園には、東京国立博物館、国立西洋美術館、上野の森美術館、国立科学博物館、東京都美術館、東京藝術大学大学美術館など、美術館がずらりと揃っており、教科書で見るような美術作品の傑作や、極めつけの貴重な品々が常に展示されています。さらにパンタ誕生で沸く上野動物園、買い物が楽しいアメ横など、それ以外のスポットも充実しています。マンション広告のキャッチコピーではありませんが、“豊かな文化のもとで住まう贅沢”は、日本中でもここでしか味わえないものです。
上野に住まいを探す際、大きく分けて3つのゾーンが候補になります。1つは不忍池の南側の湯島方面。もう1つは東京芸大・谷中霊園方面、そして駅の東側に広がる山手線の円の外側のゾーンです。
このうち湯島ゾーンは、一番華やかな分、家賃も一番高くなります。一帯は飲食店が立ち並び、名店も多数ありますので、食通には堪らないでしょう。芸大方面は、昔ならではの街並みが広がっており、古いアパートも残っています。上野に住みたいが家賃は抑えたいという方は、狙い目です。最後の東側ゾーンは、マンションとオフィスビルが共存しています。観光客が来ることはないので、上野の便利さを享受しつつ、喧騒から逃れたいという方は、こちらが候補になるでしょう。
家賃的には、「ワンルーム・1K・1DK」で10.59万円(ライフルホームズ調べ)ですが、様々なタイプの物件がある地域なので、上述の“ゾーン別攻略法”と予算を組み合わせれば、きっとお気に入りの物件が見つかるものと思います。