12月に入って株式市場ではIPO(新規上場)ラッシュが続いているが、どんな投資戦略で望めばよいのだろうか。投資情報サイト「東京IPO」編集長の西堀敬氏が、注目銘柄とともにIPO攻略法を解説する。
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2014年12月には約30件のIPOが予定されているが、短期間にたくさんの銘柄が新規上場されれば資金も分散されるので、初値騰落率は低くなる。そのため、関心は直近IPO銘柄に向かって見直し買いが入る可能性が高いと見ている。
IPO後の株価上昇(セカンダリー)を狙うなら、短期間で東証1部に鞍替えする期待の大きい銘柄、期末に向けて買いが入りやすい配当・株主優待利回りが高い銘柄、外国人投資家・機関投資家のポートフォリオに組み入れられる可能性が高い銘柄ということになるだろう。
そうした中で注目銘柄のひとつが、「築地銀だこ」や「銀だこハイボール酒場」などをチェーン展開し、2014年9月30日に新規上場したホットランド(東証マザーズ・3196)。同社の株主優待は、グループのどの店舗でも利用可能な優待券で、12月決算に向けて優待狙いの買いが期待されそうだ。ひとまずは早めに仕込んで最も高値となる権利落ち寸前に利益確定する、短期勝負の戦略が考えられる。
足元の業績は快調で、2014年12月期の通期業績は売上高270億円(前期比31%増)、営業利益18億3300万円(同2.9倍)純利益9億1000万円(同6.8倍)と大幅な増収増益を見込んでいる。
2014年1月にグループ化した「コールド・ストーン・クリーマリー」などスイーツ&カフェ事業が寄与する。7月末時点の店舗数は関東を中心に「築地銀だこ」が405店、薄皮たい焼き「銀のあん」が39店など合計534店だが、今後も年間20%ずつ増やして10年で国内3000店舗まで増やす計画だ。海外市場の開拓にも積極的で、長期保有しても大化けが期待できると見ている。
※マネーポスト2015年新春号