窓埋めのタイミングに関する法則は存在しませんが、毎年3月は多くの日本企業の本決算月にあたりますので、 2月頃からリパトリエーションが始まります。こちらは1つ意識している材料です。
また参考までに、過去の米ドル円相場における窓埋めを振り返ってみましょう。2014年10月30日に黒田日銀総裁が80兆円の金融緩和政策を発表しましたが、当時すでに260兆円の金融緩和政策を行なっていましたのでさらに80兆円も上乗せされるとは誰も思っていませんでした。
そしてマーケットは日銀の発表に驚き、売りポジションを持っていた人はロスカットをし、多くの方が買いポジションを持ったことで、米ドル円相場は112.50円あたりで窓を開けたままどんどん上昇し、翌年の2015年の6月には125.87円まで上昇しました。約8ヶ月の間に約13円幅も上昇したということです。そして結局、112.50円水準に窓が開いてから窓が埋められるまでに、約1年半かかりました。
このように窓が埋められるまでに1年以上かかったケースもありますので、やはり1ドル=108円前後に開いた窓も同じように、しばらく埋められない可能性もあると私は考えています。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。