ほかにも、クレラップで知られるクレハ(東証1部・4023)も、シェールガス・オイルの掘削機用の材料や自動車の部品用素材などが絶好調で大幅な増益を見通す。
これらの企業に共通しているのは、従来の成功体験にとらわれず、未来に向かってのチャレンジを着実に積み重ねてきていたということ。野球でたとえると、“常にバットを振っている”会社ということに尽きる。リスクをとってでもバットを振り続けることで、時には失敗しながらもホームランを生み出す。しかも野球と違うのは、どんな振り方をしても許されるし、三振もなく、何回振っても構わない。
もちろん、闇雲にバットを振ればいいわけではない。だが、環境変化が著しい昨今、失敗を恐れてバッターボックスに立っているだけで振ろうともしない企業は衰退するのが必然だ。投資成果がすぐに目に見えない状況においても、バットを振り続けるためには、経営者の覚悟や自信が必要になってくる。
その点においては経営者が交代したタイミングなどはひとつの転機になりそうだ。ここにきて多くの企業で経営陣の若返りが起きていることも、成長企業が増えた背景の一つだろう。成長分野を見極めてバットを振り続けている企業なのかどうか、経営者の姿勢に今後も注目しておきたい。