遺族「絵画を見るのが好きで、よく美術館めぐりをしてました」
調査官「それなら骨董なんかも目利きだったんでしょうね」
遺族「骨董はあんまり。ただ、九谷焼は好きでしたね」
そうして絵画や骨董などの美術品も調査対象に加えられるのだ。そうした午前中のヒアリングをもとに、午後からは通帳や印鑑、株券や信託証券、不動産の権利証書や登記簿謄本をもとに具体的な調査にかかり、その際、故人分だけではなく、相続人名義の口座や資産も調べられる。
「調査官は葬儀の香典帳も調べます。投資運用を任せていた友人の名前があるかもしれないし、会葬者に銀行の支店長の名前があり、相続税の申告書にその銀行の預金の記載がなければ、申告漏れではないかとアタリをつけるわけです」(松林氏)
※週刊ポスト2017年12月8日号