しかし、こんなに良い制度を利用している人はほとんどいない。理由は税理士が教えないからだ。
「税理士としてはメリットがないからです。仮に脱税している税務申告書に書面添付をしていれば、税理士としての責任が追及される可能性がある。一方で依頼者からは、追加の料金を受け取れないケースが多い。リスクも手間もかかるのに売り上げが増えない」(都内のベテラン税理士)
最近は、書面添付に関しては追加料金を取る税理士も増えているという。
「料金体系はさまざまで、成功報酬という形を取るケースもあります。目的は税務調査を免れることですから、それが免れれば報酬を払い、実施されれば払わないというものです。これなら依頼者側も多少の出費を我慢できるのではないでしょうか」(同前)
相続税の対策と同時に、プロである税理士選びも重要となる。
※週刊ポスト2017年12月8日号