上海総合指数は5月下旬をボトムに上昇トレンドを形成してきたが、その際、小型材料株を中心に何度か崩れかけている。しかし、その都度、大型株が牽引する形で上昇トレンドに引き戻されている。国家の意思を反映する政府系金融機関である国家隊、長期投資を身上とする機関投資家、海外の機関投資家などが、押し目で積極的に買いを入れてきたといった経緯がある。
ただ、今回は金融監督管理の強化、逸脱した業者の摘発、投機資金の撤退といった問題を含んでおり、国家隊が無理に買ってくることはないかもしれない。12月、1月の中国本土市場は押し目形成の可能性がありそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。