日本の市場関係者の中には、上海総合指数の下落を気にする者が多いようだ。2015年夏、2016年1月の急落は日本市場にも大きなインパクトを与えた。日経平均が11月上旬を天井に押し目を形成している中で、足元の上海総合指数の動きに対して神経質になるのも当然と言えるかもしれない。
最近の上海総合指数の動きを振り返ってみると、11月13日に終値ベースで2015年12月31日以来の高値を記録したが、その後売られ、20日には一旦本土投資家が短期的な相場の強弱を判断する際によく使う60日移動平均線を割り込んだ。ただ、この時は場中で大きく切り返し、その後3連騰と自律反発したのだが13日の終値水準を超えることはできず、23日には2.29%下落。1日挟んで27日には0.94%下落した。20日の場中安値を下回って引けていることで、テクニカルには下げ相場の様相を呈してきた。
11月中旬以降、投資家が意識したのは、金利の上昇である。
中国10年国債の利回りをみると、9月下旬には3.6%程度であったがその後上昇を続け、11月23日には一時4%を上回る水準まで上げている。また、銀行間取引金利について、短い期間はそうでもないが、3か月、6か月、9か月、1年物については、11月に入り、急激に上昇している。その背景にあるのは当局による金融レバレッジの縮小であり、銀行行政の監督管理の強化である。