もう一つ知っておきたい制度に、相続税の「分割払い」がある。相続不動産を売却して相続税納付に充てようと考えても、必ずしもすぐに売却できるとは限らない。その場合は税額に応じて年利1.2~6%の利子税を払い、最大20年間の分割納付ができる。
「利子税というと抵抗感を覚えるかもしれませんが、焦って不動産を売却するより得するケースもある」(不動産コンサルタント)
前出の武田氏はこう語る。
「相続税の納税は『相続人の申告』が基本であり、スタートラインになる。つまるところ、“申告者が得する制度や損する注意点をどれだけ知っているか”によって相続税が大きく変わってくるということです」
得するか損するかは、納税者の自己防衛次第なのである。
※週刊ポスト2017年12月15日号