これは大計画であり、具体的な任務はこの7点に沿って今後、細かくブレークダウンされていくことになるだろう。
日本企業では、神戸製鋼、三菱マテリアル、東レ(子会社)などで、データの改ざんが発覚している。もちろん、データの改ざんは企業側に落ち度があるわけだが、一方で監督管理体制に問題はなかったのだろうか?
日本は企業の良心を信じ、自主性を最大限に保障するが、それによって日本企業が高い成長力を獲得しているとは思えない。産業界全体への監督管理体系を強化し、法律、ルールをしっかりと守らせる必要がありそうだ。しかし、一方で、国家としての発展戦略をもっと充実させるべきではなかろうか? 少なくともインターネット関連産業の広がり、深さにおいて、日本は既に中国よりも大きく遅れている。中国が国家資本主義を堂々と貫く中で、日本が無策であれば、将来の結果は自ずと見えてくるだろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。