そして、ストラクチャーの項目では介護ロボットやITネットワークのインフラ設備などが導入されているかがチェックされるともいわれています。体力のある大手事業者はいいのですが、地域密着型の中小の事業者が無理して設備投資することも考えられます。それが利用者の改善につながらなければインセンティブは出ず、経営を圧迫し、倒産が多発する懸念がある。もちろん、入居者や利用者がいちばん困ることになる」
インセンティブ制度によって、入居者を選定する基準を変える事業者が出てくることも考えられるという。
「要介護度が改善すればボーナスが出るのですから、同じ要介護度3でも、70歳と90歳の2人がいれば、回復の可能性が高い70歳の方を優先的に入居させるでしょう。業界全体にこのような考え方が広がりかねない制度設計になっているのは間違いありません」(佐藤氏)
※週刊ポスト2017年12月15日号