「要介護度が1、2の人は、特養に入りたくても入居資格がないので“待機老人”にはカウントされません。そのため、改正法によって数字上では“待機老人を減少させた”という成果が出てしまうかもしれません」
入れる施設が見つからない「介護難民」が大量発生するかもしれないのだ。
要介護度1~2で介護サービスを利用しながら一人暮らしをする高齢者は少なくない。こうした人がもし、来年4月以降に要介護度を下げられるとどうなるか。一般社団法人「日本地域ケア協会」代表理事の梅澤宗一郎氏は次のように語る。
「独居の高齢者で、要介護度を実態より軽く判定されると、必要な介護サービスを受けられなくなる。その結果、たとえばデイサービスに行けなくなって閉じこもりがちになり認知症が急激に進むといった事態が続発する可能性があります」
※週刊ポスト2017年12月15日号