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「乗り鉄」の京急社員 日本の全線踏破後は全駅制覇に挑戦中

「京急ご案内センター」に勤務する重松氏

「全線に乗ってしまうと、今度は『全駅を制覇してみよう』という考えが浮かんできました。ルールは、駅に降りたら、その列車を見送ること。つまりホームに一瞬降りて再び列車に乗るのはNGです。

 地方に行った時は、降りた駅でボーッと次の電車を待っていると時間がもったいないので、(乗降駅を増やすために)隣の駅まで歩くんです。昨年の夏には、三江線の全駅を乗り降りしてきました」

 さらっと三江線(さんこうせん)という言葉が出たが、これは島根県の江津(ごうつ)駅と広島県の三次(みよし)駅の約108キロを結ぶ路線で、1日の列車数はわずか5本。来年3月に廃線となることが決まっている。上り下りの列車を上手に乗りこなし、なおかつ「隣の駅まで歩く」というテクニックを駆使すると、1日5本しか列車が走っていない三江線でも、1泊2日で全35駅に乗り降りすることができるらしい。列車に乗っているより、歩いている時間が長そうだが……。旅先では同好の士と出会うこともあるそうだ。

「最近、“秘境駅”が流行になっていますが、北海道に小幌(こぼろ)駅という、外へつながる道路もなく、列車でしか行くことができない秘境駅があり、そこが廃止されるという噂があったので、降りに行ったんです(※その後、当面廃止は見送られた)。

 すると、同じく小幌駅で降りた人間が数人いて、声を掛けてみると、全員が数時間後の同じ列車で帰る予定だということが分かったので、『それなら一緒に散策しましょう』と。その時の仲間は全員が東京の人だったので、『小幌の会』と称して、今でも東京で集まっています」

 その鉄道仲間は重松さんが京急勤務だと知っており、“いちはやく情報を教えて”と言われることもあるそうだが、「内部にいると、知っていても逆に教えられないんですよ」と笑う。

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