家族持ちの同僚から「独身はいいよな、お金が自由に使えて……」などと言われることもある、シングル世帯。だが、将来に向けて資金計画を立てておくことが重要なのは、ファミリー世帯と変わらない。この年末年始、1年間の「お金の出入り」を振り返るとき、30~40代の独身世帯の場合はどんな観点に注意すべきなのか。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏が解説する。
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これまで、〈最低限の貯蓄額は?他 20代独身「1年間の家計収支の振り返り方」〉と〈老後の準備は?他 20~30代夫婦「年末年始に考えたいお金の話」〉、〈年末年始、40代夫婦が考えておきたい「将来のお金」の話〉で、それぞれのケースで年末年始に考えていただきたい「お金の話」をご紹介しました。今回は30~40代の独身世帯の場合です。
使いすぎ注意!
このケースの方に多い傾向は「使いすぎ」です。仕事もある程度自分でコントロールできるようになり、収入も増えて生活費以外にも使えるお金ができる。プライベートを楽しめるようになってきているのではないでしょうか。
楽しんではいけません、と言うつもりはありません。でも「今の楽しい」が「将来の楽しい」を削ることにならないように、「使う分」と「貯める分」を計画的に分けるのがよいと思います。
この年代だと、今は独身でも将来結婚することも十分考えられます。将来結婚するにしても生涯独身を貫くにしても、この時期の貯蓄は重要になってきます。今後の可能性として、「子供なしの共働き」「子供ありの共働き」「独身」「結婚して自分が養う」などがあり、それぞれ必要なお金は大きく違います。どんな将来になっても大丈夫なように、「今は1人だから使ってもいいや」と資金計画をおざなりにしないよう注意したいものです。
では、どれくらいの貯蓄が必要なのでしょうか。「30~40代独身」の場合、まずは自分1人が一生を過ごせるだけの貯蓄をすることを目標にしましょう。