コンサートなどのチケットのネット上における高額転売問題に対する規制強化の流れが加速している。
主にネット上では、オークションサイトやチケット売買サイトなどを使って、チケットの転売が行われている。もちろん「何らかの理由によって行けなくなってしまったチケット」を転売しているケースもあるが、最初から転売目的で入手したチケットが出品されているケースが多く、それはつまり“ダフ屋行為”ということになるだろう。
こうしたネットでの転売目的のダフ屋が横行することで、コンサートに行くために正規の料金の何倍ものお金を支払ってチケットを入手したり、ダフ屋がチケットを抑えてしまうためにチケットが入手できなかったりする音楽ファンが増加。音楽業界ではダフ屋行為を排除すべく、様々な働きかけを見せている。
たとえば、コンサート会場でのIDチェックを行い、チケット購入者でないと入場できない仕組みを導入することで、転売を抑止するアーティストは増加している。また、今年6月には日本音楽制作者連盟など業界4団体が、公式チケットリセールサービス『チケトレ』を開始。チケットを取ったものの都合で行けなくなった人が、そのコンサートに行きたい人に定価で譲るための公式なマッチングサービスを提供することで、非営利目的のチケットトレードを認め、営利目的の転売を排除しようというわけだ。
ネットオークション側でも、転売防止に動き出している。11月には『ヤフオク!』が転売を目的としたチケットの出品を禁止するルールを導入。チケットトレードサービス『チケットキャンプ』も11月に、1公演あたりの出品枚数を4枚までに制限し、本人認証を厳格化した。ネットダフ屋に利用されていた各サービスが、転売業者の締め出しを始めたわけだが、『チケットキャンプ』については12月7日に、商標法違反および不正競争防止法違反の容疑で操作を受けているとして、全サービスを停止している。