アメリカの新しい税制はいつから開始されるのか
では、今後年末年始にかけて、利上げ後の米ドル円相場はどのように動くことが想定されるでしょうか。
私としてはテクニカル分析の観点から、2017年の年内中、もしくは2018年の年初にかけて、米ドル円相場は上昇する方向に見ています。早くて年内いっぱい、もしくは年初にかけて1ドル=114~116円くらいまで上昇してもおかしくない、と考えています。
ただし、ファンダメンタルズの観点から、注意しておいた方が良い材料もあります。それは、アメリカの税制改革です。
税制改革法案そのものは議会にてすでに可決されているものの、現段階ではいつから新しい税制がスタートするのか、その時期についてはまだ決定されていない状態です。
もし来年の早い段階で法人税の引き下げが開始されることになれば、それがドル買いの材料となることが想定されます。
しかし一方で、2019年から法人税の引き下げが開始されることになれば、「なんだ、まだ1年後の話か」という雰囲気になり、ドル売りの材料になる可能性も考えられます。
つまり年末年始のドル円相場を分析するうえで、テクニカル分析から見て大きな流れは、円安ドル高傾向にあると思われますが、その一方で、米国税制改革がいつ開始されるのか、その時期に対して意識を向けておいた方が良い、と私は考えています。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。