気になって、「トッププレーヤー」と呼ばれる70才の人の仕事ぶりを見に行ったわよ。スリムな体をどれほど速く動かしているのかと。
とんでもない。ふわりと机の上に手をのせたら、さら~と動かして、どこにも力が入っていない。まるで太極拳をしているよう。どんな世界にも、頭ひとつ抜けたエリートがいるんだなと、自分の持ち場を離れていることも忘れて見入っちゃった。
だけど一般のエリートと違って時給は限られていて、私がパートをしたホテルは、ノルマを達成してもしなくても、時給は当時980円でみな同じ。13部屋以上の掃除をすると、ひと部屋当たり150円の手当が出たけれど、どんなに頑張ったところでひとり暮らしでは身が立たない。
東京都の最低時給は今年の10月から958円だけど、この額を前にしたら労働のよろこび、清々しさなんてたわごとにしか聞こえないって。この世知辛さをどうしてくれよう。
※女性セブン2017年12月14日号