トイレの話で思い出したのが、怪しげなテレフォン営業をしていた友人R子(58才)や、輸入雑貨店を経営していた知人S香(64才)など、介護ヘルパーを始めた友人たちのこと。
彼女たちから、“シモの世話”のグチはいっさいなかった。不思議に思って聞くと、なんでそんなことを聞くの?といわんばかり。R子は、「両手にゴム手袋をしたら、気持ちが切り替わるのよ。何とも思わない」だって。
その後も私は、「シモの世話がイヤで、介護の仕事を辞めた」という人に一度も会ったことがない。
では、「介護ヘルパーは耐えられなかった」という人は何がイヤだったか。ひと言でいえば“人間関係”で、もっと言えば、高齢者から延々と身内の悪口を聞かされることだという。
知人S香は、「大小便はニオイも形も、人によってたいした違いはないけど、人を恨んだり、憎む気持ちは強弱も質もいろいろ。この毒がどんどん体に貯まっていくんだよ」と、うんざりした顔で言ってたっけ。
※女性セブン2018年1月1日号