大きなアクシデントがなければ、40~50代は老後資産を増やすチャンス。私的年金のなかでも“得する”と注目されるのがiDeCo(個人型確定拠出年金)だ。加入者は60歳まで毎月一定額を自ら選んだ金融商品に拠出する。
「最大の利点は税制優遇。掛け金の全額が所得控除され、加入期間中の運用益も非課税。受け取る年金も退職所得控除や公的年金等控除制度の対象となる」(社会保険労務士の井戸美枝氏)
意外と大きいのが掛け金の控除。年収850万円の人が51歳から9年間加入し、限度額いっぱい(年間27万6000円)まで拠出した場合、9年間で74万5200円の節税になる。運用先は定期預金でもよい。手数料は引かれるが、ほぼノーリスクで得できる。
注意点としては、金融機関によって運用管理手数料や運用できる商品のラインナップに大きな差があるので、よく調べて口座を開設する金融機関を厳選することが必要となる。原則60歳まで資金を引き出せないが、老後の貯蓄を捻出するための、第一の選択肢となるだろう。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号