住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で34位にランクインした「柏」(千葉県柏市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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首都圏在住者にとっては、ベッドタウンとしておなじみだった柏でしたが、その名前を全国区にしたのが、サッカーの「柏レイソル」です。J1とJ2を何度か行き来していますが、リーグ優勝、天皇杯優勝など、輝かしい実績を残しており、地元人気は絶大。しかしそのお膝元の柏駅周辺は、確実に地殻変動が起きています。
JR常磐線沿線在住者かJリーグのチームのファン以外は、足を運ぶ機会がなかなかないかもしれませんが、一度駅に降り立てば、その栄え方に驚くはずです。駅ビルには高島屋が入り、駅の東側に広がるアーケードの「柏二番街」は、常に多くの人でごった返しております。かつては「松戸vs柏」で、常磐線沿線の覇権を争った時期もありましたが、街の繁栄ぶりでは、「東の渋谷」とも呼ばれる柏に軍配が上がるように思われます。
交通面は、常磐線と東武野田線の2線。とはいえ野田線は、「柏からどこかに行く線」というよりは、「柏に出て、東京に向かう線」という路線なので、移動は基本的に常磐線ということになるでしょう。東京から柏は30km程度離れていますが、停車駅が少ないので、地図や電車賃で感じるほどの遠さは感じません。しかも上野東京ラインの開通により、東京駅まで1本で行けるようになったのは、柏住民にとって大変嬉しいニュース。ただし通勤ラッシュはかなりのものです。
道路状況はなかなか良好です。首都圏の大動脈の国道6号線と16号線が駅の近くをかすめるように通っており、車があれば遊びや買い物の幅がグッと広がります。ただし両国道とも、混雑は覚悟して下さい。