駅前のそごうは閉店し……
松戸との争いを制し、常磐線の柏以北に住む人間にとっては憧れの地の柏ですが、冒頭に述べた“地殻変動”のもととなっているのが、2005年に開通した「つくばエクスプレス」です。開通当初は、まるで人の気配のない場所を通っていたつくばエクスプレスですが、今や「柏の葉キャンパス駅」や「流山おおたかの森駅」(流山市)周辺には商業施設やマンションが立ち並び、住民が急増しています。
それらに加えて国道16号線沿いや国道6号線沿いにもショッピングモールが次々と完成。日本全国の地方都市では、鉄道の駅前から、車で移動できる国道沿いへと人の流れが移っていますが、柏でも同じ現象が起きています。昨年9月には、駅の真ん前にあったそごう柏店が閉店し、いまだに跡地の利用法が決まっていません。これらの事情を総合すると、柏という街の勢いは下り坂だと言わざるをえないでしょう。
とはいえ、駅前付近の賑わいぶりは「さびれた」というには程遠く、都心への時間距離もほどほど。ショッピングも充実し、サッカーチームもあり、少し離れれば緑も豊かで、子どもを育てるには悪くありません。後は、昔から栄えている柏駅(常磐線)を選ぶか、ピカピカでキレイな街並みが広がるつくばエクスプレスを選ぶか、そこは好みの問題でしょう。