大手金融機関とは一線を画す独立系運用会社レオス・キャピタルワークスは、これまで投資家に直接販売する「ひふみ投信」で2008年10月の設定来396.4%(2017年11月末時点)という高いパフォーマンスで人気を集めてきた。しかし、ここにきてその方針が大きく変わろうとしている。
同社では2012年5月より、銀行や証券会社などで販売する「ひふみプラス」を「ひふみ投信」と同じ「ひふみ投信マザーファンド」で運用してきた。従来はSBI証券をはじめとしたネット証券や、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)をはじめ地方銀行を中心に販売してきたが、2018年1月から始まる「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」専用商品として、メガバンクの三菱東京UFJ銀行、証券最大手の野村證券、そして三菱UFJ信託銀行と大手金融機関に販路を拡大するというのだ。
これまでどちらかといえば、大手金融機関とは距離を置き、個人投資家に重きを置いてきた同社が、ここにきて各業界のリーディングカンパニーというべき大手金融機関と手を組むのはなぜか。同社代表取締役社長で最高投資責任者の藤野英人氏が、その理由を説明する。
「最大の理由は『つみたてNISA』制度をなんとしても普及させたいことにあります。同制度に関しては運用会社の中でも様々な意見がありますが、私たちは長期的な資産形成を応援する仕組みである『つみたてNISA』制度の普及は、若い世代を中心に日本中に投資文化が浸透し、投資を通じた日本の発展につながると信じています。
そして、この制度が普及していくためには、従来の私たちの販売パートナーのみならず、大手金融機関が本気になることが重要です。大手金融機関での『ひふみプラス』の取り扱い開始にあたり、投資信託を販売いただくこと以上に、大手金融機関と一緒になって『つみたてNISA』制度を日本中に根付かせること尽力していくつもりです」