iPhone Xの販売が思わしくないようだ。中国本土の複数のメディアが報じたところによれば、アップルは2018年第1四半期の販売台数見通しを引き下げた。これまで5000万台を発注していたが、それを4割減らし3000万台に落としたようだ。情報源はサプライチェーンであり、信憑性が高いとみられる。
iPhone Xの組み立てを一手に請け負う鴻海科技集団傘下企業の本土鄭州工場は、12月9日の時点では、求人活動を行っていたが、その後ストップしている。新製品発売後は求人募集活動がしばらく続くのが恒例だが、25日には全面的に求人をストップしたと正式に発表している。この点について、同社はそれ以上、何も発表していないが、本土の市場関係者たちの間では現在の生産量に見合う労働力は既に確保できているといった見方がコンセンサスとなっている。
アップルはTSMC(台湾の世界最大の半導体ファンドリー)に対して、iPhone Xに搭載されるA11プロセッサーの発注を大幅に減らし、2018年第1四半期におけるA11プロセッサーの投入量は2017第4四半期よりも30%減らすようだ。国内通信キャリアにおけるiPhone Xの流通在庫が増え始めており、市場価格は下がり始めている。こうした事実は、全体としてiPhone Xの人気はいまひとつであることを示している。
サプライチェーン関係者によれば、iPhone Xだけではなく、 iPhone 8の販売状況も芳しくない。2018年第2四半期に入ってしまうと、次の新機種への期待から、消費者は買い控え行動を取り始める。iPhone需要に関しては、2018年下期に新機種が発売されてようやく回復のチャンスが訪れるだろうと関係者の多くは予想している。