東日本大震災以降、家族の絆が見直され、親と同居を検討する子世帯も増えたが、ある程度のプライバシーは守りたいというのが本音。
住環境研究所の「同居・二世帯の住まいづくりと暮らし満足度調査」(2012年)でも、距離の取り方が同居満足度を高めるポイントになっていることがわかった。 同居に満足している層では、計画時に親世帯と子世帯の独立性を「非常に重視した」が26%、「重視した」が42%であるのに対し、同居に不満を持っている層では、それぞれ6%、23%と半分以下に過ぎない。
一方で、賃貸付住宅の人気も高まっている。1階部分を店舗として貸し出したり、2階部分あるいは3階部分を賃貸住宅として貸し出す方法だ。
メリットは賃貸収入が得られること。住宅ローンの返済中は、賃貸収入を返済に利用することができるし、住宅ローンが終わってしまえば、老後資金や相続税の納税資金として利用することができる。
ここにきて、賃貸付住宅が人気を集めている背景には、都市部の限られた土地でも3、4階建てが建てやすくなっているという事情がある。階数を増やせば床面積に余裕ができ、十分な自宅スペースを確保しながらも賃貸併用が実現できるからだ。
比較的コストの安い木造住宅では、これまで4階建ては難しかったが、建築技術の進化などにより、最近では建てられるようになっている。
※マネーポスト2014年秋号