再雇用については、「かつての部下が上司になることはプライドが許さない」という声もよく聞くが、一方の再就職は、より困難な道であることが多い。
「企業は高齢の面接希望者に対して、“なぜこの人は再雇用を選ばなかったのか”“何か問題がある人なのでは”とネガティブな印象を抱きやすい。それに中途採用では、60代の希望者はシビアな目で見られます。よほど卓越したスキルがない限り、条件のよい再就職は難しいと考えるべきです。
たとえ再雇用された職場が居づらいものだったとしても、働きながら就職先を探すことはできる。まずは再雇用で安定収入を確保するのがベターです」(稲毛氏)
※週刊ポスト2018年1月12・19日号