ただし、「繰り下げ受給」では増えない年金もある。妻が年下であり、専業主婦などで一定の条件を満たすと、夫の年金に年額38万9800円の「加給年金」が上乗せ支給される。いわば年金の“家族手当”だ。
この加給年金は妻が年金をもらう年齢に達するまで続くから年齢差が大きいほど有利だが、夫が年金受給開始年齢を遅らせればその間はもらえないし、70歳受給を選んでも額は増えない。「年の差夫婦」なら繰り下げしない方が得になるケースが多いのだ。
一方、共稼ぎで妻も厚生年金に加入している場合は、「妻だけ年金を繰り下げ」る“時間差受給”がお得だ。
「一般的に女性の方が平均寿命が長い。夫の年金は65歳受給で生活費に回し、妻が70歳受給を選ぶ手も。特に共稼ぎでの妻の年金は専業主婦よりも多いので、増額分も大きい」(同前)
姉さん女房なら、妻が年金を我慢する間、夫が現役で稼いで支えればいいので、この方法が取りやすい。
※週刊ポスト2018年1月12・19日号