この例を見習い、たとえば親がすでに郊外に住んでいれば、同居は無理にしても、子供たちが親の近くに移り住むようにすれば、家族全体として無駄な支出を抑えることが可能になる。昔の大家族で暮らすパターンに戻すことが、家計を効率化させる最もいい手段なので、可能な人は一考の余地ありだろう。
そうして、自分の自由時間を失うまで働かずに、自分のやりたいことを優先して暮らす。たとえば、リタイアしてから自分のオリジナルの紙芝居を作り、幼稚園や老人福祉施設などに行って、それを上演しているという人がいる。もちろん、ギャラはもらえないが、みんなが自分のステージに感動してくれると、物凄くうれしい気持ちになり、生きがいを感じるという。
また、必死に働いて貯めたお金を切り崩しながら、副業で地下アイドルをやっている女性の話を私は聞いたことがあるが、彼女はギャラなしでも、お金に変えられぬ充足感を得ていると語っていた。
こうした例から、そこそこの蓄えがあって、しかも自分を必要としてくれる場が持てれば、人は幸せになれるのではないかと私は考えている。