節税しながら「自分年金」づくりができる制度として加入者数を拡大しているiDeCo(個人型確定拠出年金)の使い勝手が向上した。毎月決まった額を積み立てる決まりだったのが、2018年1月からはボーナス月など余裕のある月にまとめて支払うような年単位での拠出が可能となったのだ。
たとえば、月額2万3000円を拠出してきた会社員なら、年2回のボーナス月にまとめて13万8000円ずつ拠出することが可能となる。年間の上限の範囲内なら月ごとに拠出額を変えることも可能で、通常月は1万円、ボーナス月に3万円といった設定も可能だ。収入が安定しない自営業者にとってもメリットは大きく、売り上げが多くなる月にまとめて支払うといったこともできる。
手数料を節約できるメリットも
拠出の回数を減らすことで、意外なメリットもある。拠出時にかかる国民年金基金連合会の手数料(103円)を節約できるのだ。たとえば、毎月拠出している場合は12か月分として年間1236円の手数料が差し引かれるが、年1回拠出とすれば103円のみとなる。
また、自営業者など第一号被保険者で、毎月400円の付加保険料を支払っている人は、年単位拠出にすることで掛金額を増やすことも可能だ。iDeCoの掛金額は1000円単位で、付加保険料を含めて月6万8000円が上限(第一号被保険者)だったので、これまでは月600円の枠が無駄になっていたからだ。
ただし、この制度を利用するには、事前に年間計画を金融機関に提出しなければならない(申請月の翌々月納付分以降を設定可)。たとえば、月1万円を拠出している人が、ボーナスが増えたからといった理由で12月に年間の上限額いっぱいまでまとめて拠出したいと考えても認められない。また、拠出の回数は年何回でもかまわないのだが、12月拠出分は必ず含む必要がある。