結婚しない男女が増えている。2015年の国勢調査では男性の23.37%(4人に1人)、女性の14.06%(7人に1人)が50歳までに一度も結婚したことがないという。1980年までは男女ともに5%未満だった生涯未婚率が、なぜそこまで急上昇しているのか。
新刊『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス刊)で幸福になるための男女の結婚観や働き方に迫った作家・橘玲氏は、次のように分析する。
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2035年の日本は人口の半分が独身になると予想した『超ソロ社会「独身大国・日本」の衝撃』の著者である荒川和久さんは、独身の男女が「結婚の利点」と「独身の利点」をどう考えているかを1987年から2015年までのデータで比較しています。
まず女性にとっての「結婚の利点」は、1980年代からずっと「子どもや家族をもてる」がダントツの1位でしたが、近年は「経済的余裕がもてる」が伸びてきて、いまではほとんど変わらなくなっています。
一方で「独身の利点」は「行動や生き方が自由」「広い友人関係を保ちやすい」「現在の家族との関係が保てる」「職場をもち社会との関係が保てる」があがっています。
すなわち女性にとっての結婚とは、(1)自由を失い、(2)友人と疎遠になり、(3)家族とのつき合いが減り、(4)仕事ができなくなる、という「四重の損失」なのです。そして、それらの損失は、単に「家族がもてる」ということだけは埋め合わせることができず、それらを失う代わりに「経済的余裕」が結婚の条件として浮上してくるのです。